余裕資金があった場合、住宅ローンの繰上返済に充当したほうがよいのか、それとも住宅ローンの借り換えの初期費用にあてたほうがよいのか悩んだことはありませんか?
ここでは、どちらが得かをご自身で計算できるように情報を整理していきます。下記に従って情報を収集すれば、どちらがお得なのか判断できますよ。
<STEP1> 現在のローン内容を整理する
一番最初に、現在のローン内容を整理します。具体的には「金利」「ローン残高」「残返済期間」です。これは特に難しくないと思います。
<事例>
現状 | |
---|---|
金利 | 2.0% |
当初ローン残高 | 2000万円 |
残返済期間 | 20年 |
<STEP2> 借り換え候補先の初期費用を把握する
次に行うのが、借り換えを検討している金融機関の「借り換えに伴う初期費用」を把握することです。この金額が借り換えと繰り上げ返済のどちらが有利なのかを比較する際に必要なものとなります。
例えば借り換えの初期費用に50万円かかる場合、この金額を繰り上げ返済に当てるとどうなるのかを比較するわけです。
ここでは、当サイトでイチオシの住信SBIネット銀行の場合の例を見てみます。
■住信SBIネット銀行住宅ローン借り換え初期費用
費用項目 | 初期費用 |
---|---|
ローン取扱手数料 (借入金額の2.16%) |
432,000円 |
印紙 | 20,000円 |
登記費用(※概算) | 202,000円 |
合計 | 654,000円 |
<STEP3> 繰り上げ返済した場合の利息削減額を計算する
STEP2で計算した初期費用(約65万円)を繰り上げ返済に充当した場合のシミュレーションを行います。※元利均等払いで計算しています。
現状 | 繰上後 | |
---|---|---|
金利 | 2.0% | 2.0% |
当初ローン残高 | 2000万円 | 2000万円 |
残返済期間 | 20年 | 19年3ヶ月 |
毎月返済額 | 101,176円 | 101,176円 |
総返済額 | 24,282,300円 | 23,971,399円 |
<STEP4> 借り換え候補先の金利を把握する
住信SBIネット銀行の場合、20年ローンの金利は1.34%です(2015年12月現在、当初引下げプラン)。この金利を元にSTEP3と同様に、毎月返済額と総返済額を計算してみます。
現状 | 繰上後 | SBI銀行 | |
---|---|---|---|
金利 | 2.0% | 2.0% | 1.34% |
当初ローン残高 | 2000万円 | 2000万円 | 2000万円 |
残返済期間 | 20年 | 19年3ヶ月 | 20年 |
毎月返済額 | 101,176円 | 101,176円 | 95,044円 |
総返済額 | 24,282,300円 | 23,971,399円 | 22,810,535円 |
23,971,399-22,910,535=1,060,864>654,000(借換初期費用)
今回の例では、「借換後総返済額-繰上後総返済額」が借換にかかる初期費用を上回り、繰り上げ返済よりも借り換えのほうが有利なことがわかります。
全ての計算にはものの1時間もかかりません。大切な住宅ローンです。シミュレーション事例を見るだけでなく、自分の場合はどうなるかを計算してみましょう。
大事なポイントは、借り換えの初期費用がいくらかかるかをきちんと把握することです。