住宅ローンの知識あれこれ
基礎知識
借り換え
繰り上げ返済
住宅ローンを金利だけで選んではいけない
数ある住宅ローンの中から選ぶ時の基準として、多くの人が「金利が安いこと」を選択肢として挙げます。
もちろん、金利が安いことは重要な選択ポイントです。しかし、金利が安いということだけで住宅ローンを選択してしまうと後悔することになります。
その他にも、「初期費用」、「繰り上げ返済のしやすさ」、「変動金利から固定金利への切り替えのしやすさ」、「返済期間延長の可否」、「疾病補償の有無」など様々な検討ポイントがあるからです。
また、実際のローン締結時にも「変動金利を選ぶべきか固定金利を選ぶべきか」、「返済期間は何年にすべきか」、「保証料はローンに上乗せすべきか、金利上乗せにすべきか」など決めるべきことも多々あります。
どの金融機関の住宅ローンがベストなのか、どんな住宅ローンの内容がベストなのかは、個々人の抱える状況によって異なりますが、どの方にも共通する指針となるべきものはあります。
このサイトでは、実際に住宅ローンを新規借入し、その後借り換えを行った経験者を中心に、金融機関に媚びない本音で選ぶ住宅ローンをご紹介します。
比較サイトが絶対書かない住宅ローンの落とし穴
住宅ローンを比較する際、様々なサイトで情報収集されていることと思います。それ自体はとてもよいことですが、注意が必要なのは多くの比較サイトでは、金融機関のネガティブな情報を載せていないことです。
アフィリエイト収入で運営されているため仕方のない面もありますが、ポジティブな側面だけでなくネガティブな側面についても情報収集しないと後悔することになります。
特に見落としやすいポイントを次の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
住宅ローンを金融商品にしてはいけない
当サイトでは、変動金利か固定金利かの選択を、「どっちが得か」の視点で選んではいけないと考えています。
どちらが得かという視点で選択するということは、将来の金利予測が必要ということです。これはすなわち、住宅ローンを株などと同じような金融商品のように考えているということです。
株であればリスクを取ってもよいのですが、住宅ローンでリスクを取ってはいけません。住宅ローンは無理なく返済できるかどうかの視点で考えるべきです。結果として「損」をしたとしても、それはリスクヘッジのための保険料と考えればよいことです。
将来の金利予測は誰にもできません。また、「将来の金利上昇の可能性は非常に低い」という言葉に騙されてはいけません。
低金利が長らく続くと、ずっとこの状態が続くのではと錯覚してしまいますが、上がる時は上がります。1%、2%の上昇なら許容できるかも知れませんが、3%、4%と上昇したらどうでしょうか?
可能性が低いから大丈夫と考えるのは、リスクテイクです。金融商品であれば、それもよしですが、住宅ローンは金融商品ではありません。
バブルの時代には、住宅ローンの金利は8%にもなったことを忘れないようにしましょう。
住宅ローンを選ぶ時の重要ポイント
金利と初期費用を比較する
当然ながら金利は低いに越したことはありません。一方、金利が低い金融機関の中には手数料等の初期費用が高いところもあります。
例えば、借入金額3,000万円、借入期間35年の場合、0.1%金利が違うと、総返済額は約50万円違ってきます。仮に初期費用が100万円だった場合、金利差が0.2%以上かどうかということが選択のポイントとなります。
一般的には借入金額が多かったり借入期間が長い場合は、初期費用よりも金利重視がよいでしょう。一方、借入金額が少なかったり、借入期間が短い場合は初期費用が少ない金融機関がよいでしょう。
金利の切り替えができるか
住宅ローン締結時までに、変動金利にするか固定金利にするか決めきれないという方もいらっしゃるでしょう。
または、とりあえず安い変動金利にしておいて、タイミングみて固定金利に切り替えたいと考える方もいらっしゃるでしょう。
その意味で、金利の切り替えが自由にできるかどうかは、住宅ローンを選ぶ時の重要ポイントの一つです。「自由にできる」というのは、切り替え手数料が無料だったり、いつでも切り替えができるということです。
返済が長期に渡る住宅ローンでは、固定金利を原則として考えたほうがよいのですが、申込時に決めなくてもよいというメリットは大きいです。
繰り上げ返済がしやすいかどうか
繰り上げ返済をしやすいかどうかは、住宅ローンを選択するときに最重要したい項目です。
住宅ローンを早期返済できるかどうかは、繰り上げ返済のしやすさにかかっています。余裕資金があっても、繰り上げ返済がしにくいと、繰り上げ返済はなかなか進まないものです。
何回でも繰り上げ返済できる、1円から繰り上げ返済できる、インターネットだけで手続きできるという点を確認するようにしましょう。
変動金利か固定金利か?
基本は固定金利を第一義に考えるべきです。第一義というのは、固定金利を選択した場合でも、返済できるだけの余裕があるかということです。
金利の安い変動金利にしないと、月々の返済が厳しいという場合、借入金額を見直すなどしたほうがよいでしょう。金利が上昇した局面で破綻する可能性が高いからです。
また、金利が上昇してきたら固定金利に切り替えるというのは、非常に難しいことだということも知っておきましょう。
住宅ローンの金利を「どちらが有利か」という視点で考えるのは、本質的ではありません。
住宅ローンの返済は長期に渡ります。有利かどうかで判断するのではなく、「どこまでリスクを許容できるか」の視点で考えましょう。
例えば、いざという時に預金で大幅に繰り上げ返済ができるという方は、変動金利を選んでも大丈夫です。金利が安定している間は、変動金利の低金利のメリットを享受し、変動金利が大幅に上昇した場合は、繰り上げ返済をするというリスクコントロールができるからです。
一方、預金が少なく、ローン金額が多額で返済期間が長期になる方は固定金利を選ぶべきです。金利が上昇したときになすすべがなくなります。
繰り返しになりますが、住宅ローンはどちらが得かで選ぶべきではありません。どちらが得になるかは、金利の変動という運任せです。住宅ローンの返済を運に任せてはいけません。
返済期間は何年にすべきか?
返済期間は短いほうが、総支払額は少なくなります。毎月の返済額に無理のない範囲で、返済期間は短いほうがよいでしょう。
毎月の返済額に不安のある方は返済期間を可能な範囲で長くしましょう。繰り上げ返済をすれば、返済期間を縮めることはできます。しかし、返済期間を延長することは原則できないからです。
住宅ローン控除・確定申告Q&A
住宅ローン残高証明書発行後に繰り上げ返済したら?
多くの金融機関で10月上旬に、その年の年末ローン残高予定表を郵送します(住宅ローン控除対処者のみ)。
住宅ローン残高証明証発行後に繰り上げ返済をした場合は、銀行に残高証明証の再発行を依頼しましょう。
繰り上げ返済しても、住宅ローン控除の金額に影響がない場合でも、正しい残高証明証が必要です。繰り上げ返済前の残高証明証を使って住宅ローン控除申請を受けた場合、最悪の場合、取り消しになる恐れがあります。