住信SBIネット銀行の通期引下げプランと当初引下げプランの違いで混乱される人が多いようです。恐らく頭のよい方ほど混乱するのではないかと思います。それは住信SBIネット銀行のホームページに記載されている「あること」が原因です。
通期引下げプランと当初引下げプランの違い
「通期引き下げプラン」は変動金利の引き下げ幅が大きく、「当初引下げプラン」は固定金利の引き下げ幅が大きくなっています。
固定金利特約期間(固定金利が適用される期間)が同じであれば、「当初引下げプラン」のほうが金利が低くお得です。
その代わり、固定金利特約期間期間が終了し、残りの借入期間(があれば)に適用される金利が(変動金利においても固定金利においても)「通期引下げプラン」よりも高くなります。
※2017年9月適用金利
固定金利特約期間 | 通期引き下げ | 当初引き下げ |
変動 | 0.444% | 0.975% |
2年 | 1.13% | 0.35% |
3年 | 1.13% | 0.45% |
5年 | 1.17% | 0.46% |
7年 | 1.04% | 0.64% |
10年 | 1.04% | 0.64% |
15年 | 1.32% | 0.92% |
20年 | 2.26% | 0.98% |
30年 | 2.25% | 1.20% |
35年 | 2.33% | 1.28% |
通期引下げプランが向く人・当初引下げプランが向く人
借入期間全固定金利にしたい人は当初引下げプラン一択
住宅ローン申込時に、返済期間全ての金利を確定させたい(将来の未確定リスクをゼロにしたい)という方は、借入期間=固定金利特約期間ということになります。借入期間が30年であれば、固定金利特約期間30年を選ぶことになります。
この場合、固定金利特約期間終了後のことを考える必要がないわけですから、当然に金利の低い「当初引下げプラン」を選択すべきです。通期引下げプランを選択する意味は全くありません。
通期引下げプランを選択するのは変動金利を選ぶ時
率直に言って「通期引下げプラン」を選択するメリットはほとんどありません。
「通期引下げプラン」にするとお得になるのは、変動金利を選択する場合のみです。しばらく低金利は続くと考え、変動金利にしたい場合は「通期引下げプラン」でもメリットがあります。
ただし金利が上昇して後から固定金利に切り替えたいという場合、「通期引下げプラン」の固定金利は高く「当初引下げプラン」と比べて著しく不利です。「通期引下げプラン」を選択するならば、「当面金利の上昇は起きない、しばらくは変動金利を続ける」という見通しと覚悟が必要でしょう。
一見、通期引下げプランの変動金利0.444%よりも、当初引下げプランの2年固定0.35%のほうがお得のように見えますが、2年固定の期間が終了すると、ずっと高い金利が適用されることになります。ご注意下さい。
プランの違いで混乱する理由
当初引下げプランと通期引下げプランの違いは明瞭なのですが、冒頭に書いたように混乱する方が多くいらっしゃいます。
恐らく、混乱を生む原因となっているのが、住信SBIネット銀行のホームページに「通期引下げプラン固定期間35年の金利」が掲載されていることです。
住信SBIネット銀行のローン借入最長期間は35年ですので、35年の固定期間を選ぶ方というのは、「借入期間=固定金利特約期間」であるわけです。それなのに、わざわざ金利の高い「通期引下げプラン固定期間35年」を選ぶ人がいるわけがありません。
それにも関わらず、通期引下げプラン固定期間35年が掲載されているので「金利の低い当初引下げプランを選択すると、何か落とし穴があるのでは?」と疑問に思うわけです。
当初引下げプランと通期引下げプランの違いで混乱される方というのは、合理的な考えができる方だと思います。それゆえに、上記のことが不思議でならないのです。
でも大丈夫です。借入期間を全期間固定金利にする場合は、「当初引下げプラン」を選択するというのが、正しい答えです。