日本にはPTSが2つあります。ジャパンネクストPTSとチャイエックスPTSです。東証と含めて3つの市場が存在することになります。PTSのメリットは後ほど詳しく解説しますが、一番大きな特徴は夜間取引ができることでしょう。
PTSで取引するにはPTSと接続している証券会社でトレードを行う必要があります。PTS取引ができるネット証券は2018年2月時点でSBI証券と楽天証券の2社だけです。
PTSのメリットとは?
夜間取引や早朝取引ができる
東証の取引時間は9:30~11:30と12:30~15:00です。PTSであれば8:20~16:00と17:00~23:59の時間帯(SBI証券の場合)に取引ができます。東証の取引時間外のニュースに素早く対応できます。また日中にトレードできない方にとってもメリットです。
取引時間 | |
東証 | 9:30~11:30と12:30~15:00 |
PTS | 8:20~16:00と17:00~23:59 |
より高い価格で売れる、より低い価格で買える
PTSの取引時間と東証の取引時間が重なっている時間帯においては、PTSと東証の価格を比較してより有利な価格で売買することができます。
例えばA株の売気配値が次のような状況において成り行き買い注文をすると、通常は東証価格の1000円での約定となりますが、PTS接続している証券会社で注文すると999.6円での約定となります。
東証 | PTS | |
A株の売気配値 | 1000.0 | 999.6 |
東証とPTSを比較して自動的に最も有利な価格で約定させる仕組みをSOR(スマートオーダールーティング)と言います。
手数料が安い
売買取引手数料は取引所手数料よりもPTS手数料のほうが安いです。
PTSのデメリット
流通量が少ない
PTSでの取引量は全体の5%程度です。そのため特に夜間取引においては約定できない、価格が取引所価格と大きく乖離するということが発生します。
全ての銘柄が対応しているわけではない
上場銘柄のすべてがPTS取引に対応しているわけではありません。PTS取引ができるのはおよそ3800銘柄(2018年2月現在)程度です。
信用取引ができない
PTSでは信用取引ができません。現物取引のみです。
PTSをするならSBI証券と楽天証券のどちらがよい?
夜間取引をやりたいということだと現状はSBI証券一択です。ただし楽天証券も2018年中の夜間取引への対応を表明しています。最良価格での約定を目指すならPTS2社と接続されている楽天証券がより有利です。
証券会社 | 取引時間 | 接続PTS |
---|---|---|
SBI証券 | 8:20~16:00 17:00~23:59 | ジャパンネクストPTS |
楽天証券 | 8:00~16:00 | ジャパンネクストPTS/チャイエックスPTS |