元本保証された定期預金で実質年利14%以上で運用できる金融商品があることをご存知でしょうか?2018年1月現在大手都市銀行の定期預金金利0.01%と比較すると実に1400倍以上の利率です。
そんなうまい話があるはずがないと思われるかもしれませんが、iDeCo(個人型確定拠出年金)の定期預金を活用することにより年率14%が簡単に実現できるのです。
iDeCoの定期預金で実質年利14%以上で運用できる仕組みとは?
方法は極めてシンプルです。iDeCoの口座を開設し拠出金を定期預金に預け入れるだけです。iDeCoに拠出した金額は全額所得控除になり、拠出金額×(所得税率+住民税率)分の税金が減額されます。
■所得控除とは
所得金額からマイナスできるものです。わかりやすく言うと経費扱いです。例えば給料300万円の人が20万円の所得控除を受けると税金計算上の所得が280万円になります。所得控除により納める税金が少なくなります。
この税法上の仕組みによりiDeCoの定期預金に拠出するだけで元本保証がありつつ実質高い投資リターンが得られるのです。
例えば所得税と住民税の合計税率が20%の人がiDeCoに年間10万円拠出すると10万円×20%=2万円の税金が減額されます。この場合、10万円の拠出に対して2万円の税金減額ですから実質20%で運用したことになります。
実際には年間6000円程度のiDeCo口座管理手数料が発生しますので、2万円‐6千円=1万4千円がリターンとなります。
この実質リターンは個々人の所得税率によって異なってきます。高い税率の方ほど実質リターンが高くなります。また口座管理手数料は拠出金額に関わらずほぼ固定なので拠出金額が多いほどリターンが大きくなります。具体例を見てみましょう。
年間拠出額 | 税率 | 節税額 | 実質リターン |
10万円 | 20% | 10万円×20%-6千円=1万4千円 | 14% |
10万円 | 30% | 10万円×30%-6千円=2万4千円 | 24% |
20万円 | 20% | 20万円×20%-6千円=3万4千円 | 17% |
20万円 | 30% | 20万円×30%-6千円=5万4千円 | 27% |
※口座管理手数料は金融機関によって異なります。ここでは最安値金融機関の水準で計算しています。
iDeCo定期預金で節税するときの注意点
所得税を納めていない場合節税効果がない
iDeCoは2017年1月の法改正で実質ほぼ全ての人が加入できるようになりました。専業主婦の方も対象です。しかし所得税を納めていない人はiDeCoに拠出しても税金の戻りがありません。今回の記事でご説明したようなリターンを得ることができません。
専業主婦はiDeCoのメリットなし!つみたてNISAのほうがお得な理由とは?
高い実質リターンが得られるのは初年度のみ
今回の記事で説明した高い実質リターンが得られるのは初年度のみです。次年度からは一般的な定期預金の金利から得られるリターンのみとなります。※毎年、新たに拠出した金額に対してのみ所得控除があります。
拠出年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 |
2018年 | 節税効果+定期預金金利 | 定期預金金利 | 定期預金金利 |
2019年 | 節税効果+定期預金金利 | 定期預金金利 | |
2020年 | 節税効果+定期預金金利 |
iDeCoに入れた資金は60歳まで引き出せない
iDecoに入れた資金は60歳まで引き出すことができません。あくまでiDecoに拠出するお金は老後資金と考えましょう。
まとめ:50代からの老後資金形成には最適
iDeCo=投資、と毛嫌いする方でもiDeCo定期預金運用による節税は安全で高いリターンが得られてお勧めできるものです。60歳まで資金を引き出せないことがデメリットですが、50代くらいの方であれば60歳までの期間もそれほど長くなく活用しやすいのではないでしょうか?