住宅ローンの借り換えを検討している時に気がかりなのは、必要な金額を借りられるかどうかということではないでしょうか?
今回は、気になる借り換え時の審査内容と対策をご紹介します。
住宅ローン借り換えの3大審査ポイント
住宅ローンの借り換えにも、新規ローン購入時と同じく事前審査があります。借り換え時の審査は大きく3つの項目に分けられます。
1.債務者についての内容
年齢
おおむね申し込み時に60歳未満であり、完済時に75歳位までである必要があります。働き盛りとされる30代~40代は特に有利な年齢です。借り換えをすると決めているならなるべく早く決断しましょう。
勤続年数
勤続年数は長ければ長いほど有利です。2~3年以上はほしいところです。しかし、最近では勤続年数をそれほど重視しない金融機関が増えてきました。住信SBIネット銀行のように年収見込の書類があれば勤続1年未満でもOKとする金融機関もあります。
自営業の場合は最低1年以上の事業継続が必要です。
年収
年収が多いに越したことはありませんが、金額の絶対額よりも、後述する「返済負担率」が重要です。年収は自分ではどうすることも出来ませんが、返済負担率は工夫できます。
配偶者
配偶者がいたほうが「逃げない」ということで加点評価する金融機関もありますが、配偶者の有無は大きくは影響しません。
現在の住宅を含めたすべてのローンの支払い履歴
住宅ローンを借り入れてからこれまで、遅滞なく正常に返済されていることは必須です。過去に未払いや遅滞の履歴があると、借り換えローンの審査通過は難しくなります。
その他のローン(車や教育ローン、キャッシングなど)で支払いに延滞があった場合も黄信号です。
2.物件についての内容
居住年数
勤続年数と同じように、長く住んでいればいるほど有利です。これは、その家に住み続けようとする意志や、これまでしっかり住宅ローンを返済してきたことの証明になるからです。一般的には、3~5年以上が好ましいとされています。
物件価値
新規の住宅ローンでは、所定の保証会社が算出する担保価格の範囲内とされていることが多いのですが、借り換えローンではこの点が緩和されています。つまり、物件評価以上の金額まで貸してくれるのです。
目安として返済負担率30~35%の場合で、借り換えとなる担保評価額の200%もしくは1,000万円を加えた額までとされています。
3.返済についての内容
返済負担率
借り換え時にも年収に対する住宅ローン返済額はしっかりとチェックされます。新規で借りる場合は35%が目安という金融機関も多いですが、借り換えの場合はより余裕のある返済計画を求められます。
35%のラインを超えてしまう場合、借入期間を長くして毎月返済額を減らすなどの工夫をして申し込んでみましょう。その他、申し込み時は金利の安い変動金利で申し込み、返済負担率を下げるという方法もあります。
返済期間
借り換えローンの返済は現在借り入れている住宅ローンの残存期間内という条件の金融機関もあります。借り換えを機に、ローンの返済期間を延長し余裕のある返済計画にしたいと考えている方は、借り換えローンの返済期間に制限のない金融機関を選択しましょう。
審査基準が違う!フラット35の借り換えもチェック
住宅ローンの借り換えでも住宅金融支援機構と民間の銀行が提携している「フラット35」の利用は可能です。その審査の内容で民間の金融機関とは異なる部分は大きく2つです。フラット35の審査基準も見ておきましょう。
1.物件についての内容
物件価値
物件価値に関する審査基準は民間の金融機関とは異なります。フラット35では、マイホームを取得した時の購入価格が1億円以下で住宅金融支援機構による担保評価額の200%以内であればOKとされています。(時価ではなく、購入価格)
居住年数
フラット35では居住年数はあまり重要視されません。 1年以上住んでいて、これまで住宅ローンの延滞がなければ、フラット35を利用することができます。(長く住んでいれば住んでいるほど有利になるのは、民間の金融機関の場合と同じです。)
2.返済についての内容
返済期間
フラット35に借り換えた場合、収入が減少したなどで毎月の返済が苦しい場合、返済期間を延ばすという選択が可能です。これは民間の金融機関にないメリットです。
借り換え審査をクリアするための重要Tips
- 勤続年数が短い場合は、住信SBIネット銀行のように勤続年数を問わない金融機関を選択する。
- 返済負担額が35%を超える場合は、申込時には「返済期間を長くする」「変動金利を選択する」ことによって返済負担額を下げる(審査通過後、繰上返済や固定金利に切り替えればよい)。