ETFは投資信託と株式のいいとこ取りをしたような金融商品です。投資信託のようにプロが運用してくれて、株式のようにリアルタイムで売買ができます。
とっつきにくそうな名称ですが、ETFは数万円から投資ができて、しかも自動的に分散投資がされるため、初心者に最も向いた金融商品の1つです。
日銀の金融緩和政策でもETFの買い入れが行われています。初心者に向いているだけでなく投資のプロも利用する極めて優秀な金融商品なのです。
この記事を読んでいただければ、ETFを検討したくなること間違いなしです。
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ETFって何ですか?
インデックスとは市場全体の動向を示す指標のことです。代表的な指標として日経平均、TOPIX、ダウ平均などがあります。例えば日経平均であれば、日本の代表的な株の動向がわかります。ETFの登場で、日経平均全体に投資する、世界全体の株式に投資するというようなことが、簡単に、しかも低コストでできるようになりました。
ETFのメリット
ETFは金融商品の優等生です。簡単に分散投資ができ、投資対象も幅広いです。投資初心者から上級者まで誰にとっても使い勝手のよい金融商品です。日銀が金融緩和のために買い入れをしているのもETFです。
分散投資ができる
例えばTOPIX連動型ETFを購入すると、東証一部上場会社全体に分散投資するのと同じ効果が得られます。ETF投資によって個人でも分散投資が簡単に実現できます。
世界中のあらゆる金融商品に投資できる
ETFの種類(投資対象)は日本株だけではありません。外国株式や債券にも投資できます。その他、REIT(不動産)やコモディティ(商品)にも投資ができます。しかも海外用の証券口座や商品取引口座を開く必要はなく、日本の証券口座から各種のETFに投資ができるのです。
ETFにはどんな種類があるの?数あるETFの中から何を選べばいいの?
小額から投資できる
ETFは小口に分割されていて数万円から投資可能です。
ETFは投資初心者の方から上級者の方まで幅広くお勧めできるのですが、特に向いているのが「長期投資」を目的とする場合です。世界中の様々な金融商品に分散投資ができるので、長期投資をすれば世界経済の成長と共にリターンを受け取れる可能性が高まります。
その他、「何から投資していいのかわからない」「投資資金が限られている」という方にも向いた金融商品です。
ETFと投資信託の違い
ETFも投資信託も「ファンドという形で様々な銘柄に投資することによってリスク分散する」という点は共通しています。とてもよく似ているのですが、次のような違いがあります。
ETFはリアルタイムで売買ができる
ETFはマーケットがオープンしている時間であればリアルタイムに売買することができます。
リアルタイムで売買できるというのは、株式投資をしている人にとって当たり前のように思われるかもしれませんが、投資信託の場合は事情が違います。
投資信託の場合、価格(基準価額)が決まるのは、1日1回だけです。マーケットが閉まってから夕方から夜に決定されます。そのため、購入時点では購入価格がわからない仕組みになっています。
リアルタイムに売買ができないマイナスポイントは売却時でも同じです。暴落の危険性を感じて投資信託を売却したいと思ってもすぐにはできません。売却価格が決まるのはマーケットが閉まってからです。暴落で前日の基準価額1000円だったものが500円でしか売却できないということもあり得ます。
ETFは信託報酬手数料が安い
ETFも投資信託もプロに運用をお願いしているため、運用期間中は継続的に信託報酬手数料という費用が発生します。
ETFの場合、信託報酬手数料は一般的に年0.1%程度です。それに対して投資信託の場合、年0.2~0.5%程度です。長期投資ではこれが大きな差となってきます。
ETFは信用取引ができる
ETFは信用取引で売買できるため、レバレッジを効かせて資金を有効活用することができます。
ETFにはアクティブ型がない
前述の通り、ETFはインデックスとの連動を目指す投資信託です。個別株式を選別して大きなリターンを狙うアクティブ型の商品はありません。
ETFと投資信託の比較まとめ
ETF | 投資信託 | |
売買の自由度 | リアルタイムに市場価格で売買できる | 1日に1回決められる基準価額で売買される |
信託報酬手数料 | 年0.1%程度 | 年0.2~0.5%程度 |
信用取引 | できる | できない |
投資タイプ | インデックス型 | インデックス型・アクティブ型 |
ETFで気を付けておきたいポイント
出来高が少ないETFの場合、売買する参加者が少なくて買いたくても買えない、売りたくても売れないということがあります。
また取引高が少ないETFの場合、上場廃止になる可能性もあります。株と違って無価値になることはなく現金として戻ってきますが、意図に反してポジションがクローズされることになります。
ただし、これらのことは十分な取引高のあるETFを選べば基本的に回避できます。ですからETFを選ぶ際は出来高に注目するようにしましょう。そして出来高が多いETFを選ぶようにしましょう。
ETFにはどんな種類があるの?数あるETFの中から何を選べばいいの?
ETFに関するQ&A
ETFはどこで買えるの?
今お持ちの証券口座から、通常の株式と同じように売買ができます。株式と同じように4桁のコードがあり、株式と同じように指値・成り行きといった注文方法があります。
ETFに配当金はあるの?
株式と同じように配当金があります。株式の場合、3月・9月が配当金の基準になることが多いですが、ETFの場合は1月・7月とするところが多いです。
NISAは使えるの?
株式と同様にETFもNISAの対象です。
補足
ETFはインデックス連動型のため、投資信託のようなアクティブ型はありません。アクティブ型の運用をしたい場合、投資信託を選択することになります。
しかし長期投資ではアクティブ型よりもインデックス型のほうが成績がよいと言われます。投資初心者の方には投資信託よりもETFをお勧めします。