信用取引を始めようと思った時にぶつかる最初の壁が制度信用と一般信用の違いではないでしょうか? なぜ2つの種類があるの?自分にとってはどちらがよいの?それぞれのメリット・デメリットは?などわからないことがたくさんあるかもしれません。 ここでスッキリしてしまいましょう。
制度信用と一般信用の違い
金利が違う
信用取引は簡単に言えばお金を借りて株を買うようなものです。ですから金利や返済期限が定められています。
証券会社によって金利は異なりますが、およそ制度信用が2%、一般信用が3%程度です。金利面は制度信用が有利です。
制度信用の取扱銘柄はどこの証券会社を利用しても同じですが、同じ制度信用でも金利は証券会社によって異なりますのでご注意下さい。
返済期限が違う
制度信用は返済期限が6ヶ月と定められています。6ヶ月以内に必ず返済しなくてはなりません。一方の一般信用は無期限です。
期限が定められていない一般信用のほうが使い勝手はよいです。ただ信用取引は利息が発生しますのであまり長期の保有は想定しないほうがよいでしょう。
「売建」できる銘柄数が違う
信用取引には買建と売建の2種類があります。保有していない株式でも売りからスタートできるのが信用取引の大きな特色です。
しかし信用取引ができる銘柄であっても売建ができない銘柄もあります。売建できる銘柄数は制度信用のほうが多いです。
制度信用において、買建のみ可能な銘柄は「制度信用銘柄」、売建も可能な銘柄は「貸借銘柄」と呼ばれます。
逆日歩のありなし
逆日歩とは、売建が増加したために貸株が不足して生じた品貸料を、売建している投資家が負担する費用のことです。逆日歩が2円の銘柄で1000株売建している場合は、2円×1000株で2,000円の逆日歩が生じます。
逆日歩の怖いところは、取引時には逆日歩が発生しているかどうかわからないことです。取引の翌日になって初めて金額がわかるのです。時には青ざめるような金額になることもあります。
この逆日歩があるのは制度信用だけです。一般信用では逆日歩を取られることはありません。信用取引の売建をするなら一般信用のほうがリスクが限定され安心です。
制度信用と一般信用の違いまとめ
制度信用 | 一般信用 | |
銘柄選定 | 証券取引所 | 各証券会社 |
金利 | 2%前後 | 3%前後 |
返済期限 | 6ヶ月 | 無期限 |
売建可能銘柄数 | 多い | 少ない |
逆日歩 | ある | ない |
制度信用と一般信用のお勧めの使い分けは?
買建は制度信用を利用する
買建する場合は、金利面で有利な制度信用をお勧めします。返済期限に制約はありますが、そもそも金利の生じる信用取引は長期保有に向いていません。
返済期限を迎えてもその銘柄を保有し続けたい場合があるかもしれません。例えば長期保有に切り替えたいなどの理由です。その場合は、差額分の支払いをして「現引」すればよいでしょう。
一般信用に比べれば取扱銘柄は少ないとは言え、有名な銘柄はほとんどカバーしていますので、信用買建ができないというケースは少ないでしょう。
売建は一般信用を利用する
売建で気をつけなくてはいけないのは逆日歩の存在です。逆日歩を避けるために売建は一般信用がお勧めです。
ただし一般信用で売建できる銘柄数は制度信用と比べて少ないのが難点です。そのためにも証券会社は複数保有しているとよいでしょう。売建できる銘柄数が広がります。
なお、売建の金利も一般信用のほうが高いですが、売建は取引期間が短いことが多いと思いますので、それほど金利のことを気にする必要はないでしょう。