銀行に預けているとお金の価値は目減りする
このように投資を毛嫌いされる方がいらっしゃいます。確かにどんな投資でも損をする可能性があります。
安全性を重視される方にとっては利息は少ないけれど、元本が保証されている銀行預金が一番だという気持ちは理解できます。
しかし、銀行預金は元本が減ることはないものの、実質的な価値は目減りしていく可能性があることをご存知でしょうか。
目減りする原因はインフレです。近年はデフレが長く続き、貨幣価値が時間とともに減少していくという実感が湧きにくいものの、長期で見ると物価というのは時と共に上昇していくのが自然です。そしてそれに伴って貨幣価値は減少していきます。
例えば山手線の初乗りは1976年の時は60円でした。2016年現在では140円です。
40年で物価が2.3倍になりました。逆に言えば貨幣価値は43%程度に減少したということです。
「100万円を銀行に40年間預けたら43万円になって戻ってきた」というように置き換えて考えるとインフレの影響を理解しやすいかと思います。
もちろん銀行預金には利息がつきますので、インフレ分がそのまま貨幣価値の減少になるわけではないのですが、長期で見た場合、基本的に銀行預金の金利がインフレ率を上回ることはありません。
ですから銀行預金に預けっぱなしにすると、ほぼ確実に手持ちのお金の価値は下がる運命にあるのです。
銀行預金がよくないと言っているわけではありません。銀行預金には銀行預金の役割があります。日常的に使うお金や近々使う予定のあるお金は銀行預金が便利です。
しかし長期間使用しないお金を銀行に預けっぱなしというのは考えものです。安全に運用しているつもりで実は金銭価値を目減りさせる恐れがあります。
投資はリスクがあるから銀行預金しかしないという人は、知らず知らずのうちに確実にお金の価値を減少させる金融商品に投資しているということを自覚しましょう。