信用取引に興味をもっていても、リスクが高いからと最初から敬遠していたり、投資経験の浅い自分には関係ないなどと考えていませんか?
確かに信用取引を始めるのであれば、リスクを含めてきちんと理解しておく必要はあります。よく理解しないままメリットだけに目を奪われて信用取引を始めるのは危険です。
しかし信用取引は決して経験豊富な投資家だけが使うものではなく、一般投資家においても、もっともっと活用されるべきものです。
今日の記事では信用取引を使うとどんなことができるのか、現物取引にはない魅力をお伝えします。
信用取引の上手な活用法
下落トレンドの時に売りから入る
信用取引では自分が持っていない株式を売ることができます。これは現物取引にはない大きなメリットです。株式のトレンドが下落方向の時は大きな力を発揮します。現物取引の場合、下落トレンドとわかっていても指をくわえて相場を見ているしかありません。
保有株のつなぎ売りをする
現物取引で株式を保有している時、何らかの理由でその株が短期的には下落しそうだと考えたとします。しかし長期的には上昇しそうだと予想していて手持ちの株式を売却したくないとします。このような場合は現物取引での株式は保有したまま、信用取引で同じ銘柄を売ることによってリスクヘッジをすることができます。例えば保有株が値下がりし1万円の含み損が生じても、信用取引の売りで1万円の利益を得て相殺することができます。
株主優待取り
株主優待目的で株式を購入する場合、現物株を購入すると同時に信用取引で同じ銘柄の株を売っておけば、権利落ち日後の株の下落をカバーし損益をチャラ(手数料等は除く)にして株主優待を得ることができます。ただしこの手法は多くの人が実施していて、信用取引での売り株を確保できないこともあります。
デイトレ
小さな鞘(さや)を抜いていくデイトレでは資金量が多いほうが有利です。資金量が多いほうが取引回数を多くできるからです。
信用取引では委託証拠金の約3.3倍の取引ができます。例えば30万円の委託証拠金があれば約100万円分の取引を行うことができます。デイトレをするなら現物取引よりも信用取引のほうが資金量で有利です。
信用取引のデメリット
株主優待を得られない
信用取引で株を購入(買建)しても株主優待を得ることはできません。ちなみに信用取引で買建てした場合の配当金は、配当金そのものではありませんが、配当金相当額という形で受け取れます。
手数料以外に金利や貸株料がかかる
信用取引で買建てした場合はお金を借りていることに対しての金利が発生します。売建てした場合は、株を借りることに対しての貸株料が発生します。証券会社や時期によって異なりますが、買建ての金利はおよそ年率3%、貸株料はおよそ年率2%です。
信用取引に向かない取引
長期保有目的の取引
デメリットのところで説明した通り、買建てした場合は金利が、売建てした場合は貸株料が発生します。長期間保有すると負担が大きくなります。
信用取引に向かない人
損切りできない人
現物株の場合、含み損している株を塩漬けして値上がりまで待つという方法ができますが、信用取引の場合、保有期間に応じて利息が発生します。損切りできない性格の人は信用取引には向かないでしょう。
信用取引のリスク
売建てのリスクは青天井
現物取引、信用取引に関わらず、買建ての場合のリスクは限定されています。保有株の会社が倒産したとしても投資資金がゼロになるだけです。しかし売建ての場合はリスクが限定されません。株価の上昇は理論上は上限がないので、株価が上昇するに従い含み損が膨らみます。
信用取引をする上で知っておいたほうがよいこと
デイトレでも金利や貸株料は発生する
デイトレでその日のうちに売買を終わらせても1日分の金利や貸株料が発生します。ただし、松井証券のようにデイトレに限定して金利が発生しないプランがある証券会社もあります。
NISAの対象外
NISAでは信用取引ができません。またNISAで購入した株式等は信用取引の担保にはなりません。