東証一部に昇格すると株価が上昇するのはTOPIXに組み入れられるからです。TOPIXを指数にしている投資信託などが買い入れることにより株価が上昇します。
昇格しそうな株式を事前に見つけることができれば利益につながる可能性が高くなります。今回は東証一部昇格候補銘柄の見つけ方をご紹介します。
東証一部昇格候補銘柄の見つけ方
昇格候補の見つけ方には3つのポイントがあります。次の3つのポイントを満たせば一部昇格の確率はかなり高まります。1つでも満たせば重要なサインです。
1.株主優待の新設・拡充
東証一部昇格にはいくつかの条件を満たす必要があります。その条件の一つに「株主数が2200人以上」という基準があります。
そのため株主数が基準に満たない企業が東証一部昇格を計画する場合、株主数を増やす必要があります。株主優待の新設・拡充というのは株主数を増やす施策としてぴったりなのです。
もっとも最近は優待株人気で、株主優待の新設・拡充そのものが材料となって株価が上昇するケースが多くあります。
2.株式分割
株式分割は主に「流通株式数」を増やす目的で行われます。一部指定条件に「流通株式数2万単位以上」というものがあるからです。
株式分割もそれ自体が材料となって株価が上昇することがあります。もちろん株式分割しても価値が変動するわけではないのですが、1株当たりの株価が下がることによって買いやすくなったり一部昇格期待が高まることなどから上昇するものと考えられます。
3.立会外分売(たちあいがいぶんばい)
立会外分売は、大株主などが所有する株式を事前に決められた価格で証券取引所の取引時間外に売り出す取引のことです。
これは「流動株式比率」を高める目的で行われます。一部指定条件に「流動株式比率35%以上」というものがあるからです。
株主優待の新設・拡充や株式分割と比べると、これ自体が材料となって株価が上昇することは少ないです。むしろ流動比率の高まりを嫌って株価が下がるケースもあります。
東証一部昇格サインのまとめ
サイン | 目的 |
株主優待の新設・拡充 | 株主数を増やす |
株式分割 | 流通株式数を増やす |
立会外分売 | 流動株式比率を高める |
どうやってサイン(情報)を知るのか?
前述した株主優待の新設・拡充、株式分割、立会外分売といった情報は企業から適時開示としてリリースされます。今はスマホアプリで適時開示情報をまとめたものがあるのでそれらを利用するとよいでしょう。スマホアプリによっては「株主優待の新設」といったキーワードで適時開示情報を絞り込むこともできます。
大事なのは売却タイミング
東証一部昇格候補銘柄を見つけ株式を購入したらどのタイミングで売却すればよいでしょうか?
将来の成長を見据えてずっとホールドするのもよいのですが、東証一部昇格日の前日くらいにいったん売却するのもよいでしょう。なぜなら東証一部昇格候補銘柄というのは、昇格日前に値上がりし、実際の昇格日のタイミングで値を崩すことが多いからです。
本来、「東証一部昇格により機関投資家が買いを入れることによって株価が上昇する」はずなのですが、実際の株価は昇格前に上昇し昇格とともに下落することがよくあります。
下記にそのような事例を紹介しますのでご覧下さい。
<参考事例>
2018年2月1日東証一部昇格オプトランの事例(東洋経済オンライン記事)
まとめ
3つのサインをすべて満たせば東証一部昇格の確率はかなり高まりますが、3つのサインをすべて確認した後では既に株価がかなり上昇してしまっている可能性があります。
株価が割安な時期に東証一部昇格候補銘柄を仕込むにはもっと早い段階で動く必要があるでしょう。株主優待の新設・拡充と株式分割はそれ自体が材料となって、発表の翌日から株価が高騰してしまうケースがあります(結果として割安な株価で取得できない)。その意味では立会外分売をサインとして有望株を探すのがお勧めです。
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