2018年1月に始まったつみたてNISAは投資初心者でも利用しやすい仕組みです。既に口座を開設して投資をスタートしている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、口座を開設してはみたものの、他の金融機関の方が手数料が安かったり、あるいはご自身が希望する投資信託を取り扱っていなかったというような理由で、つみたてNISAの金融機関変更をしたいと考えることがあるかもしれません。
金融機関を変更する際の手順と、注意しておかなければならない事について詳しくお伝えしていきます。
変更方法
金融機関変更の手続きについては、始めに今現在のつみたてNISA口座がある金融機関に対し、「金融商品取引業者等変更届出書」と呼ばれる書類を提出します。これは該当の金融機関から郵送してもらうことができます。
金融機関によっては、この書類とともにマイナンバー確認書類や、本人確認書類を一緒に提出する必要がある場合もあります。
これが受理されると1週間ほどで「非課税管理勘定廃止通知書」がその金融機関から交付されます。この通知書と合わせて、変更先の金融機関所定の「非課税口座開設届出書」をその金融機関に提出します。
この時もマイナンバーや本人確認の書類が必要になる事もあるほか、その金融機関の投資信託口座を持っていない場合、この口座を開設する必要があるため取引印鑑を準備する必要もあります。
これによって金融機関変更の申請自体は終わりで、税務署の承認を経て大体1〜2週間ほどで新しいつみたてNISA口座が開設されます。
これらの書類はあまり聞きなれないものばかりですが、全て金融機関側で書類は用意してあるため、利用者は必要事項を埋めていくだけで大丈夫です。
注意点
こうして見ると、それほど複雑な手続きではありませんが、この変更時にはいくつか注意点があります。
金融商品を購入しているとその年は変更できない
1つ目は、変更する年の1月1日以降に、変更前のつみたてNISA口座で金融商品を購入していないということです。そのため、すでに金融商品を購入してしまった場合、翌年まで金融機関の変更はできなくなってしまいます。
変更タイミングは10月から9月
金融機関が変更できるタイミングは、変更したい年の前年の10月初めから、変更する年の9月末までと定められています。例えば、2020年に金融機関を変更したいと考えている場合、まず2020年中に、今まで使っていたつみたてNISA口座で金融商品を購入しないこと、そして2019年10月1日から2020年9月30日までに変更手続きをする必要があるということです。そのため、事前に金融機関の変更を決めている場合には十分に注意しなければなりません。
保有している金融商品は移管できない
4つ目は、変更前の金融機関のつみたてNISA口座で保有している金融商品は、変更後の金融機関のつみたてNISA口座に移すことはできないということです。
金融機関変更にはおよそ1ヶ月の時間が必要
そして最後に、この金融機関の変更は、先ほどご説明した手順を経た上で審査も行われるため、おおよそ1ヶ月ほど時間がかかるということです。このため急いで金融機関の変更をしたいと考えていても、すぐには変更できない事もあります。金融機関の変更を希望する際には、これらの注意点を十分に把握し、トラブルが起きないようにあらかじめ余裕を持って手続きすることをおすすめします。
金融機関変更前に購入した金融商品も非課税
金融機関変更前に購入した金融商品はどうなってしまうのでしょうか?
金融機関を変更しても分配金や売買益は購入した年の1月1日から最長で20年、非課税の適用を受けることができます。仮に2020年中に購入した金融商品による分配金等は、最長で2039年12月31日までは非課税になります。