じぶん銀行スイッチ円定期預金は為替リスクだけが預金者に残る不平等な金融商品

リスク評価

金融商品を購入者の立場に立って評価するシリーズです。今回はじぶん銀行の「スイッチ円定期預金」を評価します。

じぶん銀行スイッチ円定期預金の概要

商品名に円定期預金とありますが、為替リスクが存在する商品です。利息は一般的な円定期預金よりも高いですが、その点に留意しましょう。

仕組みとしては、預金預入日の為替レート(「特約レート」と呼ばれる)が満期日3営業日前(「特約判定日」と呼ばれる)の為替レートより円安だった場合、元本は円貨で払戻しされ、円高だった場合は外貨で払戻しされます。

預入時よりも円安に推移した場合は、預け入れた元本はそのまま円貨で戻ります。一方、円高に推移した場合、(外貨で払戻しになるため確定損ではありませんが)含み損が残ります。

画像出典:じぶん銀行公式ページ

じぶん銀行スイッチ円定期預金の評価

オススメ度(5段階評価): ★(お勧めできない)

円安時の為替差益メリットは享受できない一方、円高時の為替差損のリスクだけが預金者に押し付けられる不平等な商品です。

為替商品の為替リスクは購入者が当然に負うものですが、為替差損のリスクだけが残り、為替差益を受け取れない当商品の仕組みは疑問符です。

また、中途解約をした場合には多額のペナルティが発生する可能性がある商品です。

事例で確認する

わかりやすくするため、ここでは利息の計算は省略します。また満期日3日前(判定日)と満期日の為替レートは同一として計算します。

<ケース1>
100万円をじぶん銀行スイッチ円定期預金にして、預入時の為替レートが1ドル100円、満期日3日前の為替レートが1ドル120円だった場合

特約レートよりも判定日の為替レートが円安のため、元本は円で払戻しされます。100万円が戻ってくることになります。

仮に同時期にFXで運用した場合、元本は120万円(100万円÷100円×120円)に増えている計算になります。20万円を機会損失したことになります。

<ケース2>
100万円をじぶん銀行スイッチ円定期預金にして、預入時の為替レートが1ドル100円、満期日3日前の為替レートが1ドル80円だった場合

特約レートよりも判定日の為替レートが円高のため、元本は外貨で払戻しされます。100万円÷100円=10,000ドルが戻ってくることになります。

この時の外貨預金の円貨換算評価は80万円(10,000ドル×80円)で含み損が20万円となります。これはFXで運用した場合でも同一です。

満期日レート スイッチ円定期預金 FXで運用した場合
120円  100万円 120万円
80円  10,000ドル(80万円) 80万円

まとめ

繰り返しになりますが、じぶん銀行スイッチ円定期預金は為替差益を受け取れません。為替差損リスクだけが残るります。当商品は購入者に不利益です。

利息が高いように思えますが、利息分など為替が数十銭円高に動くだけで吹き飛んでしまいます。

為替リスクを取る金融商品を否定しているわけではありません。為替リスクを取るならリスクとリターンが見合っているFXで運用するほうが圧倒的によいです。※通常の外貨預金は為替手数料がとても高いため、外貨運用をするならFXが有利です。

 

 

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