子供の株式投資の選定基準

子供の株式口座で株式投資をする場合、自分の株式投資とは銘柄の選定基準が違っています。

 

子供の株式投資配当利回り重視

あえて選定基準を変えているのではないのですが、自分の株式投資の場合、人生の残りの期間を考え、どうしても大きくリターンを取れそうな銘柄を選びたくなってしまいます。

 

じっくり待てないわけですね。でも株式投資はそんなに思い通りになるわけもなく。

 

一方、子供の株式投資の場合は安定重視です。

 

元本を減らさないようにキャピタルゲインよりもインカムゲイン(配当金)重視です。

 

配当利回り3%の株式を10年持ち続ければ、複利運用でなくても30%の利益が出る。そんな単純な考え方です。

 

子供の株式投資を始めたときはまだジュニアNISAの制度があった時代で、配当金が非課税であることもその考えに拍車をかけました。

 

子供の株式投資から7年経過し、投資のパフォーマンスは子供のほうが上回るという結果になっています。

 

株を買ったことを忘れている人が一番儲かる

株式投資の世界では株を買ったことを忘れている人が一番儲かる、という言葉を聞いたことがあります。

 

これは短期で売買せずに長期で保有したほうが値上がり幅が大きくなるということだと思います。

 

もちろん途中で倒産してしまうような企業もありますが、ビットコインやエヌビディアのように数十年放っておけば、何十倍どころか何百倍、何千倍にもなることがあります。

 

長期投資がよいと頭ではわかっていても、短期的な利益に目がくらんでなかなかできないんですよね。

 

でも、子供のための株式投資であればそれができます。

 

短期的な利益ではなく、10年先を見据えた投資ができます。

 

私が子供の株式投資のために銘柄を選定する場合の基準は、

  1. 財務的に安定している会社であること
  2. 競争優位性が高い会社であること
  3. 配当利回りが3%以上あること

です。

 

実際にはもう少し色々なことを考えますが、おおむねこんな感じです。

 

 

お年玉で始める株式投資のメリット

4年前に預けた子供用の郵便貯金の記帳に行ったら、預入金額5万円に対して利息がたった7円であることに衝撃を受けました。想像はついていたのですが、実際に記帳してみると驚愕しますね。

 

5万円を株式投資に回していれば配当利回り3%の株であれば、1500円×4年で6,000円の配当金(税引き前)が受け取れていたはずです。

 

10歳から株式投資を開始

我が家では7年前から、長男が10歳になった歳からお年玉の一部を株式投資に回すようにしています。もちろん子供名義です。

 

子供たちが大人になった時に財産となるようなものを残してあげたいからです。長男の株式口座は7年間で順調に増え、残高は50万円以上になりました。

 

きちんと分析したわけではありませんが、トータルリターンは200%を超えているはずです(残念ながら自分の株式投資のリターンはこれよりもずっと少ないです)。

 

高いリターンを残せているのは、長期投資目線だからです。自分の株式投資だと残りの人生を考え、リターンを焦りどうしても短期売買になりがちです。

 

一方、子供用の株式投資の場合は長期目線で行うことができます。また子供用なので高いリターンを狙うよりも安定度を重視して投資を行います。

 

結果としてはそれがよいパフォーマンスにつながっています。皮肉なもので、高いパフォーマンスを狙うよりも安定度重視のほうがうまくいっているわけです。

 

お年玉で株式投資をすることのメリット

 

株式投資を始める前は、子供たちはお年玉をすぐに使ってしまいました。マンガを買ったりラジコンを買ったり。

 

お年玉をどう使おうと彼らの自由ではあるのですが、自分が子供のころのことは棚に上げて、「無駄遣いしているなあ」という感情はぬぐえませんでした。

 

かといって、お年玉を大事に使いなさいと諭したところでうまくはいきません。

 

そこで考えたのが株式投資です。

「今、このお年玉の1万円をすぐに使ったらなくなっちゃうでしょ。これを取っておいたら来年1万300円になるとしたらどうする?」と長男に言ってみたところ、そうしたいということになりました。

 

もちろん株式投資にはリスクがあるので、減ることもあるのですが、それは説明をはしおり、ともかく株式投資が始まりました。

 

この後、順調に毎年お年玉の一定額を株式投資に回す習慣が根付いたのですが、うまくいったポイントとしては、「子供の口座を作る」「配当金の明細を見せる」ということかなと感じています。

 

これが仮に親名義でやっていたら子供のモチベーションが上がらなかったのではないかと思います。

 

株式投資を始めたことで、子供たちは二人とも無駄遣いをしなくなりました。一時的な欲求で消費するよりも、このお金を株式投資に回したら配当金がもらえると考えるのでしょうね。

 

株式の選定は一緒に行う

さすがに子供はどの株がよいかの判断はできないので、お勧めする株を私が選定します。そのうえで、どうしてこの株を選んだかを子供に説明します。納得すれば投資します。

 

現在は資産の半分くらいをウエスコホールディングスの株で運用しています。

 

all-in-one-investment.net

 

 

【6091 ウエスコホールディングス】100万円が入った財布を80万円で売っていたら?

もし100万円が入った財布が、80万円で売られていたらどうしますか?

おそらく、多くの人がどこからかお金を借りてでも購入しようと思うでしょう。

こんな話、現実ではありえませんよね。でも、株式市場ではこうした“ありえない話”が時々起こるのです。

その一例が、今日ご紹介する「ウエスコホールディングス」という会社です。

株式会社ウエスコホールディングス


エスコホールディングスのネットキャッシュは約100億円

ネットキャッシュとは、現金・預金+有価証券から有利子負債を差し引いた金額のことです。

これは企業がどれだけ現金に余裕があるか、つまり安全性を測る指標の一つです。

ここでは、伝説のサラリーマン投資家・清原達郎氏が提唱する計算方式を採用します。

清原氏の方法では、有利子負債以外の負債も考慮し、より保守的にネットキャッシュを算出できます。

清原達郎式ネットキャッシュの計算式:流動資産 + 投資有価証券×70% - 負債

この方法でウエスコホールディングスのネットキャッシュを計算すると、以下のようになります:
135億円(流動資産)+ 22億円×70%(投資有価証券)- 46億円(負債)= 104億円

一方、同社の時価総額は約83億円(2025年1月14日現在)。つまり、83億円で104億円分のキャッシュを手に入れることができるのです。

清原達郎氏の「わが投資術 市場は誰に微笑むか」

純資産の計算ではだめな理由

時価総額が純資産を下回る会社は珍しくありません。いわゆるPBR(株価純資産倍率)が1倍を切る会社です。

一見するとお買い得に思えますが、PBRが1倍未満の企業が必ずしも割安とは限りません。

なぜなら、貸借対照表に記載された「純資産」は必ずしも実態を反映していないからです。

例えば、機械設備や建物といった固定資産は、買い手がいなければ価値がゼロになることもあります。

そのため、純資産の金額をそのまま現金と同じように考えることはできません。

この点を補うために生まれたのが「ネットキャッシュ」という考え方です。ネットキャッシュは、企業の実際の財務状況をより正確に把握するための指標なのです。

配当利回りは3%超:配当を受け取りながらのんびり株価が上がるのを待つ

ネットキャッシュが時価総額を上回り、かつ純資産とネットキャッシュがほぼ一致している企業は非常に珍しい存在です。

こうした“異常事態”が株式市場で起きること自体が面白いところですが、時にはその状態が放置されることもあります。

つまり、ウエスコホールディングスの株価がすぐに上昇しない可能性も十分に考えられます。

しかし、同社の魅力は配当利回り3%超という点にあります。

株価が上昇しなくても、配当を受け取りながらのんびり構えることができるのです。これこそ、子どもや孫に残したい“お宝株”といえるでしょう。

【5595 QPS研究所】世界最高レベルの衛星データで未来を開拓する会社

今、株式市場では宇宙関連事業が熱い注目を集めています。

日本はこれまで半導体業界や自動車業界といった大きなマーケットで世界に押されている部分がありました。

 

しかし、宇宙関連事業は新たな成長産業として期待される分野です。中でも注目すべき企業の一つが、証券コード5595のQPS研究所です。

QPS研究所のコーポレートサイト

 

QPS研究所のビジネスモデルは一言でいうと、宇宙から撮影した画像データを販売することです。

画像データの販売って儲かるの?と思われる方もいらっしゃるかと思います。私もそうでした。でも調べてみるとびっくりするくらいのポテンシャルがありそうです。

 

QPS研究所はどんな会社なの?

以下はコーポレートサイトからの引用です。

QPS研究所は世界トップレベルの高精細小型レーダー衛星「QPS-SAR」を開発。

夜間や天候不良時でも任意の対象を高分解能・高画質で観測できるSAR画像を提供しています。

現在は商用機3機を運用し、2027年度までには24機体制、そして最終的には36機による衛星コンステレーションを構築し、世界中のほぼどこでも特定地域を平均10分間隔で観測できる「準リアルタイムデータ提供サービス」を目指しています。

 

ビジネスモデルとしてはシンプルで、衛星を打ち上げ、その画像データを販売するというものです。

SAR画像という言葉は初耳の人が多いと思いますが、夜間や天候不良時でも観測できるということが特徴のようです。

 

衛星の画像データって誰が買ってくれるの?

QPS研究所の将来性は、画像データの需要次第。では、どのような用途で活用されるのでしょうか?

 

国防や安全保障

今のところ、QPS研究所のメインクライアントは防衛庁です。国防や安全保障はSAR衛星が最も力を発揮する分野の一つです。

SAR衛星は悪天候や夜間でも地表や建物の構造を把握できるため、敵の動向や基地の構造を分析するのに役立ちます。

また、国境付近の活動や密輸・不法入国の監視に役立ちます。

そのほか、海洋上の船舶や密漁船の動向監視にも有効です。特にレーダーによる船舶位置情報との併用で、より高精度な追跡が可能です。

 

橋や道路、建物などのインフラ管理

SAR衛星を用いて、老朽化による地形の沈下や傾きの変化をモニタリングすることが可能です。橋や道路、建物の監視に役立ちます。

例えば都市部での地下鉄工事が地盤沈下を引き起こしていないか確認したり、ダムや河川の水位変化や構造物の変化を監視し、災害を未然に防ぐことが可能です。

 

環境保全

SAR衛星は植生の変化を捉えることができるため、森林破壊の検出に利用されます。森林伐採や違法伐採の監視に役立ちます。

そのほか、SAR衛星を用いて湿地の生態系変化や氷河の溶解状況をモニタリングし、気候変動の影響を分析することもできます。

 

農業・漁業

SAR衛星で地表の水分量や植生の成長具合を観測し、作物の収穫時期や病害リスクを予測する。農産物のモニタリングはとても需要があるでしょう。

そのほか、海面の温度や潮流を把握することで、漁場の特定に役立つでしょう。 そのほかにも、都市計画や科学研究など、いろいろな分野で需要がありそうです。

 

QPS研究所の強みは?

衛星画像データの需要や用途は限りなくありそうですが、宇宙関連事業は今後大きな成長が見込まれるだけに多くの競合が参入してくることが考えられます。

競合企業と比べて品質面や価格面で優位性があるかという点が大事になってきます。

私が考えるQPS研究所の強みは次の2つです。

 

悪天候や夜間でも撮影できる小型SAR衛星技術

QPS研究所は、小型SAR衛星技術に特化していて、悪天候や夜間でも高精度な地球観測データを提供できる点が大きな強みです。

現在打ち上げられている地球観測衛星のほとんどは、カメラ(光学センサー)を使用して地球を撮影しています。光学衛星は夜間や悪天候下での観測が難しく、QPS研究所のSAR衛星は大きなアドバンテージです。

日本国内でも、SAR技術に特化した企業は少なく、この分野ではトップクラスのポジションを確立しています。

 

QPS研究所のSAR衛星はコストが100分の1

夜間や天候不良時も撮影可能なSAR衛星は大きなアンテナと多量の電力が必要になるため、1トンクラスの大型衛星が一般的です。製造コストも莫大です。

QPS研究所のSAR衛星は、従来の衛星に比べて20分の1の質量の100kg台へと軽量化、コストも約100分の1と、常識を超えるイノベーションを実現しました。

これはすごい強みです!コストが低いので販売価格も他社と比べて引き下げることができるでしょう。

 

リスクは?

ここまではQPS研究所の魅力を書いてきましたが、投資先としてのリスクはどのようなことが考えられるでしょうか?

 

利益が出るまでには時間がかかる

まず一つ目が魅力のある水準の利益が出るまでには時間がかかるという点です。

QPS研究所の当面の目標は36機の小型SAR衛星を運用して準リアルタイムデータを提供することです。それに対して現在運用できている商用機は3機です。36機揃うには数年先になるでしょう。

ただ商用機3機ですでに営業利益が黒字化していますので、長い目で見れば大きな利益を期待できるのではないでしょうか。

 

費用が先行する

売上を伸ばしていくためには商用機の数を増やしていく必要がありますが、衛星機を増やすほど費用(正確には減価償却費)も増えていきます。

どうしても売上の前に費用が先立つため、しばらくの間は売上の伸びと利益の伸びが連動しにくい局面が続きます。

 

逆に言えば体制が整った後は利益が急拡大することが期待されます。Amazonのようなプラットフォーム型ビジネスと近いかもしれません。

Amazonも最初は売上を伸ばしつつも赤字が続いていましたが、一定の体制が整った後は利益が急拡大しました。

 

衛星は必ずしも予定通りに飛ばない

想像はつくと思いますが、衛星を飛ばすのはなかなか難しいことのようです。QPS研究所でも直近(2024年)で5号機、6号機の不具合が生じています。

ただQPS研究所にとって優位な点は製造コストが他と比べて格段に低いということです。失敗しても影響度が比較的少なくすみます。

 

まとめ

  • 宇宙関連事業の事業環境は未知数です。まずビジネスモデルを構築するまでに莫大なお金と一定の時間が必要です。
  • 最後のフロンティアと言われ大きな成長が見込まれる一方、競争相手も多くなります。また技術的側面からもまだ未確立な部分が多く、衛星の打ち上げ失敗など計画通りに進まないことも多いです。
  • それでもQPS研究所の理念にはフロンティア精神とロマンがあり、投資先としては大きな魅力があると考えています。 2025年1月現在、最小単位では11~12万円程度で投資できます。

 

2025年1月19日追記

記事執筆後、自分の口座と子供の口座でそれぞれQPS研究所の株を買いました。

 

その数日後に会社からMSワラントの発表があり、株価は大幅に下落、現在は含み損となっています。

 

1年後、5年後はどうなっているでしょうか?その時までお楽しみに。

 

QPS研究所のコーポレートサイト